オカリヤは、祭りの1ヵ月前に、頭屋の庭先に氏神の神霊を迎える依代として建てるものである。榊を挿すための竹筒を囲むように4本の竹を四方に立てて中心とし、桧葉で屋根を葺き、吉野川から取ってきた砂利を敷く。周囲を竹垣と小石を並べて結界とし、正面に鳥居を建てる。中心の竹筒には八幡神社で神移しをした榊を供え、4本の竹に注連縄を張る。頭屋は宵宮までの1ヵ月間、毎朝吉野川で汲んだ水を竹筒に注ぎ入れ、祭壇には、お神酒・洗米・塩を供える。県内では東部の山間部、西部の生駒山麓、吉野川筋には現在も御仮屋が残っており、吉野川沿いの五條市・下市町・大淀町の秋祭りでは竹を骨組みに杉葉や桧葉でできた、笠状の屋根を持った古い形のオカリヤがよく残っている。
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