吉野郡では、吉野町小名をはじめとして、東吉野村伊豆尾、鷲家、萩原の4地区の秋祭りで「花笠行事」が行われている。吉野町小名には二軒の当屋があり、上の当屋、下の当屋、それぞれに花笠づくりを行う。花笠は竹を割ったものに色紙を巻いて枝として、ここに色紙で作った花びらを7つ取り付ける。この枝を48本作り、これとは別に上向きに付けられる枝が12 本作られる。この枝を、先端に藁束を取り付けた竹の棒に刺して花笠状に仕上げる。先端の藁束の上には造花の花が取り付けられる。この花笠は宵宮と本祭りの両日、当屋宅の庭先に立てられる。当屋宅では、宵宮に樫の棒12 本で御供搗きがおこなわれる。それぞれの当屋宅から氏神の小名牟遅神社境内に運ばれ、神社の玉垣の両側に立てられる。神事と御供撒きが終ると参拝者によって持ち帰られる。古くは、参拝者が奪い合って持ち帰ったという。
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