天理市海知町の倭恩智神社では9月第1週の土日を挟んだ3日間にシンカン祭りが行われる。初日の朝から、氏子から輪番で選ばれた大当屋(オトウヤ)と補助役の小当屋(コトウヤ)、前年と来年の大当屋が当年の大当屋宅に集まり、朝から祭りの準備を行う。夕食後、庭の四方に竹を立てた結界の中で、釜に湯を沸かして、巫女の湯立神楽がある。二日目は宵宮とされ、午前に神饌の用意をする。荷餅、花御供、七色の御供を折敷の上に順に載せた神饌10 膳を神饌箱に納める。午後からは、氏子代表、神主、白紙に包んだ洗米を括りつけた御幣を持った両当屋、神饌箱の順に大当屋宅より神社へ渡御をする。夕刻、神前で巫女の湯立が行われた後、氏子に対し、邪気を祓い長寿を祈る巫女の神楽が続けられる。三日目の祭りでは、朝から蒸し飯を皿に丸く盛った蒸御供をつくる。両当屋は、柳の小枝に根つきの稲穂(初穂)を括り付けた御幣を持ち、蒸御供の上に花御供を重ねた神饌と甘酒を納めた神饌箱を担ぎ、神社へ渡御する。シンカン祭りは、安永6年(1777)の記録等から古くは特定の家から成る宮座で担われていた。現在でも大当屋宅での巫女の湯立や特殊神饌を用意するなど、奈良盆地の宮座祭祀の特徴をよく残している。
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