山腹の斜面に三間四方の板張りの村堂である薬師堂が建っている。ここで、毎年8月18日の夜に祈祷念仏が行われる。堂の中央に、直径80㌢、丈1㍍あまりの大太鼓を据え、男性の太鼓打ちがこれを打ち、2名の男が足をあげ、手を振りまわして踊りながら鉦と木魚を叩き、太鼓の周囲を本尊に向って半円形に往復する。この間、まわりの男女は最初は交互に掛け合いで、後には共に抑揚を付けて「南無阿弥陀仏」の名号を唱える。さらに踊り手を変え、これを繰り返す。木津川の祈祷念仏は、「二百十日の前祈祷」と呼ばれ、災厄祈願の意味がこめられていると伝えられている。また、祖霊供養のための盆行事とも考えられ、六斎念仏が転化したものとも推測されるが、詳しくはわからない。
カテゴリ:民俗芸能・民謡 | 2件表示(総数1129件)
無形文化遺産の各カテゴリより検索することができます。