４月１日に天理市新泉町の大和神社で行われる例祭は、大和に春を告げる祭りとして知られている。祭りは大和神社の氏子域である旧大和郷９町による合同の祭りで、３月23日の宮入り、31日の宵宮参り、４月１日の本祭における大和神社から中山町の御旅所へのお渡り、４月２日の後宴祭、その後の頭屋の引き継ぎによって終了する。15世紀には現在とほぼ同じルートのお渡りを伴った４月１日の祭礼があったことがわかっており、地元にも近世初期から続く宮座記録が伝わっている。頭屋宅の「門飾り」や頭人児をはじめとして伝統的な宮座行事がよく残るとともに、神社から御旅所への賑やかなお渡りを中心とした古い形態を伝える祭礼である。
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