奈良県無形文化遺産アーカイブ

八島の六斎念仏

八島の六斎念仏の特徴は鉦だけでなく太鼓を使うことである。鉦念仏は念仏を唱えつつ右手の撞木で左手に持った鉦の凸面を打つもので、シゼン・バンドウ・ハクマイの3曲が伝わる。太鼓念仏は、大小2個の鋲打太鼓を用い、鉦を打ちながら詞章を唱えるウタヨミとそれに続く太鼓と鉦だけを打つウチコミとのセットで構成されている。ウタヨミには「念仏行者」「地獄、地獄」「西院の河原」の3曲がある。3月15日の涅槃会、8月7日・13日・14日の盆行事、檀家の葬式で唱えられるが、中心は8月の盆行事である。県北部の六斎念仏は古くは矢田寺(大和郡山市)から免許を受けていたとされるが、八島では講に伝わる寛永18年(1641)の鉦銘からこの頃には念仏結衆があったとみられる。

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